農薬の適正使用について
- 1,農薬の適正使用に関して
- 山梨県では幸い、無登録農薬の使用はありませんでしたが、問題発生と同時にJAグループ「食の安全・安心緊急対策本部」を設置し、JAグループ内の農薬使用に関する総点検を実施しました。行政とも連携して、農薬適正使用に関する法律や使用方法についての講習会を実施してJAから農家に至るまで周知徹底をしました。
- 2,防除暦の作成
- 山梨県にはもともと果樹に関する防除暦があり、その歴史が古いのですが、県農政部農業技術課・JA山梨中央会・JA全農やまなしと提携して豆・麦・水稲・野菜・果樹に関する防除暦を作成し、農薬の使用時期、濃度、散布回数、収穫前基準日数を遵守した散布等、農薬の適正使用を指導徹底しました。
- 3,残留農薬検査と安全システム作り
- また、上記関係機関が提携して、「山梨県農薬適正使用推進会議」を立ち上げ、農薬適正使用の推進と同時に、山梨県農業試験場に委託して、果樹・野菜・水稲の収穫2週間前のサンプルを採集して、農産物の残留農薬検査を実施(検査期間は10日間)万一の場合、市場流通しないようなシステム作りをしました。
- 4,防除日誌への記帳運動
- 農家ではいま、防除暦に基づいた防除を実施し、その内容を防除日誌に記録しています。JAの共選所では、防除日誌のない生産物は共選の対象から除外し、その生産物は受け取りを拒否しています。
また、個人出荷や観光園、直売所、宅急便のものも防除日誌を個人の責任において記帳するよう指導を徹底しています。なぜなら、個人出荷の物でも一端流通すると山梨県産の農産物と認識されるからです。山梨では産地を守るため、個人出荷は個人でトレーサビリティーを実施します。
※下記防除日誌をダウンロードしてご利用ください。なお、散布時期等は地域によって異なりますのでご注意ください。
農薬等変更したい場合は、お近くの農業改良普及センターにご相談ください。
果樹防除日誌.xls 水稲防除日誌.xls 麦・大豆防除日誌.xls 野菜防除日誌.xls
- 5,トレーサビリティーシステムへの試み
- これからの問題として、牛肉のトレーサビリティー法のように消費者に生産者の顔が見える、生産履歴の解るシステム作りです。コストの問題や仕組み等いろいろの問題がありますが、随時努力を重ねる所存です。
- 6,JA栽培履歴データーベースの導入
- 農家の提出する防除暦を一枚一枚チェックするのには膨大の手間暇がかかります。JAグループ山梨ではJA全中とJA全農で開発した「JA栽培履歴データーベース」を導入し、JAに配置ました。共通様式の防除日誌を作り、農家からJAに提出された防除日誌をOCRで自動的に読み取り、コンピュータの中の農薬マスターとチェックするシステムです。
このシステムがいよいよ平成17年度から稼働します。今後、作物や品目を徐々に増やし、さらには、施肥(肥料についての情報)や栽培記録などをデーターベース化する予定です。